赤ちゃんの頃、ぐずったあなたを乗せて
空港へドライブした。
すぐに泣き止んで、にこにこ顔に。
デッキから帰るころ、今度は
「帰りたくない」とまたぐずったよね。
小、中、高とずっと
「空港で働きたい」という夢を貫いた。
そして、能登の学校であなたは変わる。
声がハキハキと大きくなった。
挨拶や訓示の唱和がいつも行なわれて、
感謝の心や謙虚さも身についた。
空港の仕事は、どうですか?
安全を守るその姿は、
とても堂々として見える。
大きく育ってくれて、ありがとう。
私は「先生」が嫌いだった。
でも、この学校に入学して「本当の先生」に出会った。
彼はとにかく話を聞いてくれた。
向き合ってくれた。
私の人生は180度変わり、教師を職業に選んだ。
担任となった君達のクラスは、特別やんちゃだった。
新米教師の私はストレスを抱えた。
ある日、私は気づいた。
いつしか「教えよう」「わからせよう」としていたことに。
それからの私は、「とにかくみんなの声に耳を傾けよう、
今こそあの時の先生をお手本にしなきゃ」と考えた。
やんちゃな子たちとはいえ、
人の和を重んじる日本航空学園の
人間教育が下地にある。
私の態度が変わると、
君達も向き合ってくれた。
クラス全員、資格合格。
後期のクラスはひとつの目標に向かって、
みんなが支えあい、燃えていた。
君達は、私の誇りです。
気配りと目配り。
自己犠牲の精神。
この学校で染み込んでいた、
人としての基礎。
けれど、バイト先で愕然とした。
「おはようございます」
「ありがとうございます」
「申し訳ありませんでした」
「お先に失礼します」
当たり前だと思っていた
人とのコミュニケーションが
他の学校の子はできないのだ。
いつの時代も
「いまどきの若いヤツは・・・」
と揶揄するけれど、
世代論にはしてほしくない。
この学校で教えてくれるのは、
単なる「コミュニケーション術」ではなく、
「生き方」のように普遍的なもの。
だから、この学校の就職率は
そう簡単には下がらないと思う。
「大学くらい出ておけ」
俺たちはそう言われてきた世代。
「いい会社」に入ることがゴールだった。
それが良かったのか、
悪かったのかはわからない。
「入りたい学校がある」
お前がそう言ったとき、
母さんはちょっと不安そうな顔をしたが、
俺はうれしかった。
「少し自分を鍛え直してくれる環境がいい」
お前の決めた覚悟を応援してやろう。
母さんと二人で話したんだ。
入学後はきつかったと思う。
規則正しい寮生活や集団の規律・・・。
今の時代だからこそ大切な教育がある。
有名無名じゃなく、
お前にとっての「いい会社」に
入社できたことが誇らしい。
小さな頃から
メカいじりが好きだったお前には、
きっと天職なんだ。
ひたむきにがんばれ。
全国からパンフレットを集めた。
就職率なんてどこも大差ない。
学校見学にも行った。
日本航空学園だけ、
なんだか毛色がちがった。
とにかく在校生の挨拶、
姿勢がきびきびとしていた。
パンフレットで
「人間教育」を謳うのはかんたんだ。
でも、それが浸透しているなんて驚いた。
入学を決めたのは、
その圧倒的な雰囲気。
学校のもつ“懐の大きさ”だと思う。
私はたくさんのことを吸収した。
校訓のひとつである、
「忍耐努力の精神を体得すべし」は
今でも私の人生のテーマ。
はじめての航空祭。
観閲行進で涙を流した。
その一体感、集中力を味わったら
きっと愛が生まれる。
今日も笑顔で。
この表情が私の真剣勝負だ。
規律があるから、自由の意味がわかる。
組織に身を置くから、個性がのびる。
他人を思いやるから、自分を大切にできる。
10代後半の多感な時期にこそ、
当学園で人間力を身につけてください。
それは、一生の宝物になります。